この記事は「机上調査プラン」です。筆者は石見銀山・温泉津を訪れたことがありません。行ってみたい場所を、実際に行くつもりで本気で調べて計画した記事です。料金・営業情報は2026年9月時点で確認していますが、お出かけ前に各公式サイトで最新情報をご確認ください。

この計画のまとめ
- 日程:1泊2日(東京発・飛行機利用)
- 行き先:石見銀山+温泉津温泉(島根県大田市)
- 1日目:羽田→出雲空港→電車とバスで石見銀山→レンタサイクルで坑道跡へ→温泉津の宿
- 2日目:温泉町を歩いて外湯→出雲市で割子そば→出雲空港→羽田
- おすすめは土曜泊。温泉津で毎週土曜の夜に石見神楽が見られます(後述)
- 費用試算:1人あたり約6.2万円(航空券を早割で取れた場合)
- 結論:航空券の買い方で結論が変わる旅。早割なら余裕、直前購入だと10万円を超える
なぜ石見銀山・温泉津なのか
島根県の石見銀山(いわみぎんざん)と、温泉津(ゆのつ)温泉。
石見銀山は2007年に世界遺産になった銀山跡。江戸時代には世界の銀の相当な割合をここが産出していたと言われ、坑道跡がそのまま残っています。温泉津はその銀を積み出した港町で、今も江戸時代の町割りと湯治場の雰囲気が残り、温泉街としては珍しく町並み全体が重要伝統的建造物群保存地区に選ばれているそうです。
世界遺産なのに、周りで行ったことがある人に会ったことがありません。理由はたぶん距離です。東京から島根県の西側というのは、日本国内で一番行きにくい部類に入ります。だからこそ、本当にいくらかかるのか調べる価値があると思いました。
行き方を調べる
新幹線だと岡山経由で7時間近くかかるので、飛行機一択です。
- 羽田→出雲縁結び空港:JALで約1時間25分。1日5便(始発7:10、最終18:15)
- 出雲空港→出雲市駅:空港連絡バスで約30分、850円
- 出雲市駅→大田市駅:JR山陰本線で約40分、590円
- 大田市駅→石見銀山(大森代官所跡):石見交通のバスで約26分、640円
そして、ここが今回の一番のポイントです。羽田⇔出雲はJALしか飛んでいないので、LCCという逃げ道がありません。早期購入なら片道1万円台前半から出ていますが、直前に普通に買うと片道4万円を超えます。同じ席で3倍以上の差。この旅の予算は、どこに泊まるかより「航空券をいつ買うか」でほぼ決まります。
モデル行程(1泊2日)

1日目:朝イチの便で、昼に着いて午後に坑道へ
羽田7:10発の始発便に乗れば、出雲空港に8時半過ぎ。ただし、出雲市駅では列車の乗り継ぎ待ちがあります。出雲市駅で乗れる山陰本線は10:33発の普通列車で、大田市駅に11:15着。11:32発のバスに乗り継いで、大森代官所跡に着くのは11:58です。石見銀山の入口に着くのは12時前後で、坑道へ向かうのは午後です。
石見銀山の見どころは、一般公開されている坑道跡「龍源寺間歩(りゅうげんじまぶ)」と、その手前に広がる大森の町並み。坑道跡は町の中心から片道2.3km、歩くと45分の緩い上り坂なので、代官所跡近くで電動レンタサイクルを借ります(2時間700円)。先に坑道まで行って、帰りに町並みを歩くのが定番ルートのようです。

毎日10:30と13:00発でガイドの会の「ワンコインツアー」(500円)もあるので、12時に着いたら先に昼を済ませて、13:00の回に合わせるのが良さそうです。銀山の話は説明があった方が絶対に面白いと思うので。ただし15時台のバスで大森を出るなら、ツアーの後に自転車で坑道跡まで往復する時間はかなりタイトです。ツアーか自転車か、どちらかに絞る覚悟は要ります。

昼は大森の町並みの中にある食事処で。古民家を改装した群言堂の石見銀山本店(ランチは15時ラストオーダー)や、代官所跡のバス停すぐの「お食事処おおもり」があります。どちらも水曜が定休なので、水曜だけは避けたほうが無難です。
大森代官所跡15:27発のバスで仁万駅前へ(450円、15:45着)。ここで1つ注意で、次の温泉津方面の列車は16:43発です。約1時間の待ち時間が出ますが、仁万駅から歩いて10分ほどの仁摩サンドミュージアム(世界最大の砂時計がある施設)に寄れば、ちょうど埋まります。16:43発の列車で温泉津駅に17:07着(200円)。駅から温泉街までは徒歩15分ほどで、宿には17時半頃に着く計算です。
温泉津は小さな温泉町で、宿もこぢんまりしています。楽天トラベルで見つけたのは、明治43年創業で木造3階建て・全8室の「旅館ますや」、大正生まれの老舗で地魚料理が自慢の「のがわや旅館」、「輝雲荘」の3軒。どこも近海の魚が売りなので、夕食は宿で決まりです。部屋数が少ないので、早めの予約が要りそうです。輝雲荘は温泉津駅からの無料送迎を公式サイトで案内しているので、17時過ぎの到着でも安心です。
宿に着いたら、夕食前に外湯の「薬師湯」へ(大人600円、9:00〜21:00)。日本温泉協会の審査で最高評価を取った源泉かけ流しで、湯船に湯の花がびっしり付いているそうです。
2日目:朝の湯治場を歩いて、割子そばで締める
朝は港まで温泉街を歩きます。江戸時代の町割りがそのまま残る通りで、白壁の土蔵や格子の家が続くそうです。

もうひとつの外湯「元湯」は、調べていて知ったのですが、2026年1月から営業形態が変わり、月曜と木曜は朝6〜8時しか一般利用できず、それ以降は予約会員制になっています。それ以外の曜日は終日入れるとのことなので、行く曜日を決めるときに気をつけたいポイントです。
昼前に温泉津駅を出て出雲市駅へ。昼は出雲そばの割子(わりご)そばを食べて、連絡バスで空港へ。午後の便で夕方には羽田です。
費用試算(1人あたり・2名1室想定)
- 航空券:羽田⇔出雲 往復 約28,000円(早割で片道1.2〜1.6万円想定)
- 空港連絡バス:往復 1,700円
- 現地の電車・バス:2,870円(出雲市→大田市590円、大田市駅→大森代官所跡640円、大森代官所跡→仁万駅前450円、仁万→温泉津200円、温泉津→出雲市990円)
- 宿泊:2食付き 約22,000円(宿・プランにより2〜3万円台)
- レンタサイクル・入浴・入場:1,800円(自転車700円+薬師湯600円+龍源寺間歩500円)
- 昼食2回・雑費:6,000円
合計:約62,000円
ただし、これは航空券を早割で取れた場合です。直前購入の通常運賃だと往復で9万円を超えるので、合計は12万円台になり、10万円をはっきり超えます。鞆の浦や上田が「行くと決めればいつでも行ける」旅だったのに対して、ここは「2ヶ月前に決めれば行ける」旅です。
逆に言えば、早割で6.2万円なら3.8万円余ります。2日目に出雲大社に寄ってもう1泊足す2泊3日にしても、10万円に収まりそうです。
※金額は2026年9月時点の情報です。航空券は時期と購入タイミングで大きく変動し、宿泊費は日付とプラン次第で変わります。
行くなら土曜に
調べていて一番「これだ」と思ったのがこれです。温泉津の温泉街にある龍御前神社では、毎週土曜の夜に石見神楽の定期公演があります(全席予約制)。かつて石見銀山の銀を積み出した温泉津港の守り神だった神社で、本物の神社の中で見る夜神楽です。この計画は宿の夕食のあとの予定が空いていたので、土曜泊にすれば夜が埋まります。日程は土曜起点で決まりです。
正直、まだ分かっていないこと
机上調査なので、確認しきれなかったことを正直に書いておきます。
- 旅館ますやの駅送迎の有無は確認できていません(楽天には「バスチケット有」とあり、送迎とは別の仕組みかもしれません)
- 12時着で「ワンコインツアー+自転車で坑道跡」の両方を15:27のバスまでに収められるかは、現地で歩いてみないと分かりません
- 空港連絡バスの発時刻とJRの接続は、日によって変わる可能性があるので出発前に要確認です
- 曜日の制約が多い旅です。水曜は大森の主な食事処が休み、月曜と木曜は元湯が朝しか入れません。行くなら火・金・土・日あたりが無難そうです
まとめ
東京から一番遠い部類の世界遺産と、江戸時代の町割りが残る湯治場。早割の航空券が取れれば1人約6.2万円、取れなければ10万円オーバー。
「遠いから高い」のではなく「遠いから計画性で値段が変わる」というのが、調べてみての発見でした。2ヶ月前に決めさえすれば、10万円で世界遺産の坑道と湯の花の湯船と地魚の夕食が手に入る計算です。
写真はWikimedia Commonsより:Iwami Silver Mine Ryugenji Tunnel 001(Naokijp / CC BY-SA 4.0)、Omori town south(Opqr / CC BY-SA 3.0)、Yunotsu -温泉津- (2046263111)(contri / CC BY-SA 2.0)。いずれもリサイズのみ。イラストはイメージです。
費用概算(1人あたり・2名1室)
- 航空券 羽田⇔出雲 往復:約28,000円(早割の場合)
- 空港連絡バス 往復:1,700円
- 現地の電車・バス:2,870円
- 宿泊(2食付き):約22,000円
- レンタサイクル・入浴・入場:1,800円
- 昼食2回・雑費:6,000円
- 合計:約62,000円(航空券が直前購入だと12万円台)