この記事は「机上調査プラン」です。筆者は岩国・宮島・広島を訪れたことがありません。行ってみたい場所を、実際に行くつもりで本気で調べて計画した記事です。料金・営業情報は2026年9月時点で確認していますが、お出かけ前に各公式サイトで最新情報をご確認ください。

この計画のまとめ
- 予算の枠:2人で20万円(1人あたり10万円)・2泊3日・東京発
- 行き先は山口県岩国市と広島県。錦帯橋のたもとに1泊、広島駅前に1泊
- 1日目は錦帯橋と岩国城、2日目は宮島の厳島神社と紅葉谷公園、3日目は広島の平和記念公園を歩いて帰ります
- 岩国・宮島口・広島はJR山陽本線の上に一直線に並んでいます。乗り換えなしで20分ずつ移動できる並びが、この行程の骨格です
- 費用試算:2人で約15.5万円(1人あたり約7.7万円)。20万円の枠に対して4.5万円ほど余ります
- ベストシーズンは11月中旬から下旬。紅葉谷公園の紅葉の時期
錦帯橋は、昼に見て帰る橋ではない
錦帯橋の写真は誰でも見たことがあると思います。5つの木のアーチが錦川に架かる、あの橋です。ただ、写真で流通しているのはほとんど昼の姿です。
この橋は夜にライトアップされます。しかも22:00まで。日帰りのバスツアーや、広島に泊まって昼だけ立ち寄る旅程では、まず見られない時間帯です。
そしてもうひとつ。錦帯橋の料金所は8:00〜17:00ですが、橋そのものは24時間渡れます。時間外は料金箱に入橋料を入れて渡る仕組みです。つまり夜のライトアップは、遠くから眺めるだけでなく、橋の上を歩きながら見られます。
この計画が岩国に泊まる理由は、そこにあります。
もうひとつの主役が宮島の紅葉谷公園です。厳島神社の裏手にある谷で、見頃は11月中旬から下旬。岩国から宮島口までは山陽本線で22分、乗り換えなしです。
そして3日目の広島。岩国・宮島口・広島は山陽本線の上に一直線に並んでいて、隣どうしが20分台で結ばれています。西の端から東へ戻りながら3つ拾っていくだけで、行程が組めてしまう。二次交通の調べものがほとんど要らない旅先で、どこ10でこれまで書いてきた計画のなかでもいちばん単純な部類です。
行き方を調べる
岩国には空港がある。それでも新幹線を選んだ
岩国錦帯橋空港はANAが羽田から1日5往復飛ばしていて、所要は約1時間35分。しかも空港から錦帯橋まで直通バスが26分・380円で走っています。二次交通としてはかなり優秀です。
それでも今回は新幹線にしました。運賃を並べると理由がはっきりします。
- 新幹線:東京⇔広島 のぞみ指定席 片道19,560円。往復2人で78,240円。これに広島⇔岩国の山陽本線1,540円(2人片道)を足して79,780円
- ANA:11月下旬の羽田⇔岩国は片道23,820円。往復2人で95,280円。空港⇔錦帯橋のバス1,520円を足して96,800円
1.7万円の差です。山陽新幹線は東京から広島まで3時間49分で着くので、時間の差も1時間強しかありません。
差はそれだけではありません。飛行機で岩国に入ると、旅の起点が岩国になります。新幹線で広島に降りれば、宮島も広島市内も同じ線の上に乗ります。この行程が2泊3日で3つの町を回れるのは、広島に降りているからです。
使う便は決まっています。行きは東京6:00発ののぞみ1号(広島9:49着)。これに乗ると、午前中のうちに錦帯橋のたもとに立てます。帰りは広島15:03発ののぞみ100号(東京18:57着)。3日目の午前を平和記念公園にまるごと使って、昼過ぎに引き上げる形です。
岩国・宮島口・広島は、一直線に並んでいる
山陽本線の運賃と所要時間です。すべて普通列車で、乗り換えはありません。
| 区間 | 所要 | 大人片道 |
|---|---|---|
| 広島 → 岩国 | 49分 | 770円 |
| 岩国 → 宮島口 | 22分 | 330円 |
| 宮島口 → 広島 | 28分 | 420円 |
岩国駅から錦帯橋までは、いわくにバス21系統(新岩国駅方面)で20分・300円。新岩国駅(新幹線)からなら約10分です。
宮島口から宮島へはフェリーで約10分。大人片道200円ですが、往路には宮島訪問税100円が加わります。訪問税は入島時の1回だけなので、往復すると1人500円です。
広島市内の移動は広島電鉄。2025年2月1日の改定で全線240円均一になりました。市内線も宮島線も同額です。広島駅から原爆ドーム前まで、この1本で行けます。
モデル行程(2泊3日)
想定は2026年11月25日(水)から27日(金)。紅葉谷公園の見頃に合わせて、混雑を避けた平日で組んでいます。
1日目:錦帯橋を渡り、岩国城へ。夜はライトアップ

東京6:00発ののぞみ1号で広島9:49着。そのまま山陽本線に乗り継いで岩国へ。バスに乗り換えて、錦帯橋には11時過ぎに着きます。

錦帯橋の入橋料は大人500円ですが、錦帯橋・ロープウエー往復・岩国城の3施設セット券が大人1,550円です。単独で買うと1,750円なので200円安く、この3つは実質ひと続きなので、セット券で問題ありません。料金は2026年9月1日に改定されています。
橋を渡って対岸の吉香公園を抜けると、ロープウエー乗り場です。9:00〜17:00、毎時0分・15分・30分・45分発、所要約3分。山頂駅から岩国城までは徒歩5分ほどです。

岩国城は錦川と城下町を一望できる山城です。降りてきたら、岩国シロヘビの館(200円・9:00〜17:00)へ。岩国のシロヘビは国の天然記念物で、この一帯にしか生息していません。

泊まるのは元祖岩国寿司の宿 三原家。錦帯橋通りにある、現在の建物になって約90年という昭和初期の旅館です。錦帯橋までは徒歩5〜6分。
夕食が岩国寿司です。錦帯橋周辺には岩国寿司の店が16軒あり、なかでも橋のたもとの平清が知られていますが、平清は火曜・水曜が定休で、夜は予約制です。水曜に岩国入りするこの日程では、外の店で夕食に岩国寿司を食べる選択肢がほぼありません。宿の夕食で出るという形が、いちばん確実です。
三原家には予約前に確認しておきたい点がいくつかあります。エレベーターがないこと、現地決済は現金のみであること、日本語のみの対応であること、全室禁煙であること。2名で入れる岩風呂があります。
夕食のあと、もう一度錦帯橋へ。ライトアップは22:00までです。宿から徒歩5〜6分という距離が効いてくる時間帯で、この計画で岩国に泊まる価値がいちばん出るのはここだと思っています。
2日目:宮島へ渡り、紅葉谷を歩いてから広島へ

朝、バスで岩国駅へ戻り、山陽本線で宮島口へ。22分、乗り換えなしです。フェリーで10分渡ると宮島に着きます。

厳島神社の昇殿料は大人300円。11月の昇殿時間は6:30〜17:30です。海に建つ社殿は潮の満ち引きで表情が変わるので、当日の潮位表を見てから回る順番を決めると外しません。
そこから山側へ入ると紅葉谷公園です。もみじの谷が弥山の裾まで続いていて、入園は無料。見頃は11月中旬から下旬なので、この日程はちょうど中心にあたります。

夕方の便で宮島口へ戻り、山陽本線で広島へ。28分です。
広島駅前の宿はグリーンリッチホテル広島新幹線口。新幹線口から徒歩2分で、人工温泉の大浴場があります。宮島を歩き回った日の夜に、これは効きます。
夕食は広島の市街地へ。お好み焼き、牡蠣、穴子。3日目の朝は資料館の開館に合わせて動くので、しっかり食べるならこの夜です。
3日目:平和記念公園を歩いて帰る

最終日は広島市内だけで完結します。広島電鉄で原爆ドーム前へ。240円、15分ほどです。

広島平和記念資料館は、11月は7:30〜19:00。観覧料は大人200円です。朝いちで入れる施設は多くありません。開館直後は比較的空いているので、この時間に合わせて宿を出る価値があります。
資料館を出たら、平和記念公園を歩いて原爆ドームへ。慰霊碑、原爆の子の像、平和の灯。公園全体がひとつの構成になっているので、地図を持って順に歩くのがいいと思います。
昼食のあと、広島電鉄で広島駅へ戻り、15:03発ののぞみ100号で東京18:57着です。
費用試算(2名合計。1人あたりも併記)
三原家と広島駅前に泊まる場合
- 新幹線(のぞみ・東京⇔広島・指定席往復):78,240円/1人39,120円
- 宿1泊目(元祖岩国寿司の宿 三原家・岩国寿司の2食付き):28,600円/1人14,300円
- 宿2泊目(グリーンリッチホテル広島新幹線口・素泊まり):22,090円/1人11,045円
- 現地交通(山陽本線・いわくにバス・宮島フェリー・広島電鉄):6,200円/1人3,100円
- 観光費(錦帯橋セット券・シロヘビの館・厳島神社・平和記念資料館):4,500円/1人2,250円
- 食事・雑費:15,000円/1人7,500円
合計:2人で約15.5万円(1人あたり約7.7万円)
岩国の宿を錦帯橋温泉に上げる場合
1泊目を錦帯橋温泉 岩国国際観光ホテルの2食付きツイン(2人66,000円)に替えると、合計は2人で約19.2万円(1人あたり約9.6万円)になります。錦帯橋のすぐそばに建つ温泉宿で、館内の中華レストランでは獺祭のスパークリングが飲めます。20万円の枠をほぼ使い切る形になりますが、岩国寿司の夕食は落ちます。
行くなら11月中旬から下旬
この計画は紅葉谷公園の見頃で時期が決まります。岩国市の「花ごよみ」でも、錦帯橋周辺の紅葉は同じ11月中旬〜下旬。岩国と宮島の紅葉の時期がそろっているのが、この並びの利点です。
錦帯橋のライトアップは通年ではありません。春季は3月中旬〜6月1日、夏季は8月中旬〜1月中旬の実施で、11月は期間の中に入っています。逆に6月から8月中旬にかけては消灯期間にあたるので、夜の橋を目当てにするなら時期を外せません。
春に行くなら、錦帯橋の桜が主役になります。吉香公園と合わせて相当な本数があり、ライトアップも春季期間に入ります。ただし宮島の紅葉とは重なりません。
正直、まだ分かっていないこと
- ライトアップの点灯時刻。消灯が22:00であることは確認できましたが、点灯時刻は公表されている資料に見当たりませんでした。日没後としか言えません。岩国市観光振興課(0827-29-5116)に確認するのが確実です。
- 獺祭の蔵には行けません。旭酒造の本社蔵は岩国市周東町にありますが、岩国駅から岩徳線で32分、そこからタクシーで15分。岩徳線は1時間に1本以下で、公共交通だけで組むこの行程には入りません。車があれば錦帯橋から40〜60分です。
- 弥山に登る時間はありません。宮島の弥山はロープウエーと徒歩で山頂まで行けますが、往復3時間ほどかかります。厳島神社と紅葉谷公園を回ったうえで広島まで移動する2日目には収まりません。3泊できるなら、ここがいちばんの伸びしろです。
- 岩国城ロープウエーの点検運休。月1回程度、午後2時以降に点検で止まる日があります。2027年1月13日〜2月17日は12か月検査で終日運休の予定です。11月の日程なら無関係ですが、時期をずらす場合は確認してください。
- 宿の実額。試算は2026年11月25日・26日の楽天トラベルの定価です。11月下旬の広島は紅葉と重なるため、直前になると上振れする可能性があります。
- 厳島神社の昇殿時間。公式サイトが取得できず、二次サイトで数字が割れています。期間別に載せているところは「10月15日〜11月30日は6:30〜17:30」、通年の目安として「6:30〜18:00」としているところもあります。この記事は前者を採りました。夕方に社殿を見るつもりなら、渡る前に確認してください。
まとめ
錦帯橋の夜を見るために岩国に泊まる。そこから山陽本線を東へ戻りながら、宮島と広島を拾う。移動はすべて乗り換えなしで20分台という並びが、この計画をつくっています。
合計で2人約15.5万円、1人あたり約7.7万円。20万円の枠に対しては4.5万円ほど余りますが、その差額で岩国の宿を錦帯橋温泉に上げれば、ちょうど枠を使い切る形になります。同じ枠のなかで宿の選び方だけが変わる、幅のある計画です。
写真はWikimedia Commonsより:20100724 Iwakuni 5235(Jakub Hałun / CC BY-SA 4.0)、Iwakuni Castle close-up view(Ajax / CC BY-SA 4.0)、White snake in Iwakuni White Snake Museum 3(そらみみ / CC BY-SA 4.0)、Itsukushima Gate(JordyMeow / CC BY-SA 3.0)、宮島-紅葉谷 - panoramio (2)(tina_kazusa / CC BY 3.0)、Genbaku Dome04-r(Oilstreet / CC BY 2.5)。いずれもリサイズおよびトリミングのみ。イラストはイメージです。
費用概算(2名合計・2名1室/1人あたり)
- 新幹線(のぞみ・東京⇔広島・指定席往復):78,240円/1人39,120円
- 宿1泊目(三原家・2食付):28,600円/1人14,300円
- 宿2泊目(グリーンリッチホテル広島新幹線口・素泊まり):22,090円/1人11,045円
- 現地交通(山陽本線・バス・フェリー・広島電鉄):6,200円/1人3,100円
- 観光費:4,500円/1人2,250円
- 食事・雑費:15,000円/1人7,500円
- 合計:2人で約15.5万円(1人あたり約7.7万円)